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アンデルセンと伊達政宗から考える~検索エンジンは由来元を優先に検索結果に表示するべきか

少し前に、毎日新聞 校閲センターのサイトの次のような記事が話題になっていた。

mainichi-kotoba.jp

例のひとつとしてデンマークの童話作家アンデルセンの検索結果があげられている。
記事中には明記されていないのだが、最初に日本のパン屋であるアンデルセンがあがっていた。それに対してたしかにパン屋のアンデルセンはデンマークの童話作家のアンデルセンに由来するのにおかしいという声があり、私もそれに納得した。

アンデルセンのパンはもうずいぶんと前に一度しか食べたことがないが、自分もそのときに由来を見た覚えがあった。
念のため確認してみると、公式サイトにたしかにそう書いてある。

www.andersen.co.jp


ならばやはりGoogleの検索結果も由来元の作家のアンデルセンを先に表示するべきではないだろうか。

だが、冷静になって考えてみるとそうとも限らないのではないか。
由来したほうが圧倒的にメジャーになっている例も少なからずある。

真っ先におもいつくのが伊達政宗だった。
ドラマからゲームまですっかりメジャーとなった東北の大名だが、いっぱんに伊達政宗として知られているのは、17代目当主で仙台藩の初代藩主の彼だ。

私のGoogleの検索でも最初どころかほとんどがこちらの17代目当主の伊達政宗関連のページになる。おそらくほとんどの人が同じだろう。

伊達政宗のGoogle検索結果

だが、彼の名前は南北朝時代に活躍した9代目当主の伊達政宗にあやかってつけられたものだ。
もし上記のように由来元を優先的に表示となれば9代目のほうが先に表示されることになる。
9代目当主自身、中興の祖と呼ばれるように伊達家にとってはきわめて重要な人物だろう。

しかし現実に伊達政宗で検索する人の多くが17代目のほうを検索しているのは用意に想像できる。

この他に、古代ローマにも同じような理由で名付けられた人物は多い。
上記のアンデルセンは作家と店名のどちらを求めて検索されているのは確証は持てないが、おそらく現在の日本においては店名なのではないかとおもわれる。

Googleでの検索結果はページの存在意義を左右するために、公平さはきわめて重要だろう。
だが検索順位はどうあるべきかという問題はなかなか一筋縄ではいかないのではないだろうか。